かつては小規模事業者持続化補助金を活用して、ホームページの新規制作やリニューアルを行うケースが多く見られました。しかし、2022年頃からこの補助金において、ウェブサイト関連費に関する申請に制限が設けられています
現在では、「ウェブサイト関連費は補助金交付申請額の1/4を上限」とされ、さらに「ウェブサイト関連費のみによる申請は不可」といったルールが設けられています。
なぜこのような制限が生じたのでしょうか。以下に、その背景として考えられる主な理由を整理してみました。
ホームページ関連費が制限されたと考えられる理由
1. 制作費の過大請求が相次いだため
一部では、ホームページ制作費用が実態よりも高額に見積もられるケースがあったようです。相場と比べて著しく高額な見積もりが提出され、補助金の趣旨と乖離した事例も見られたと言われています。
そのため、制度の適正な運用を守るために、一定の上限が設けられたものと思われます。
2. ホームページ単体では補助金の目的達成が難しいと判断された
小規模事業者持続化補助金は、本来「販路開拓」や「業務効率化」といった経営の持続的な発展を支援する目的で提供されています。
しかし、ホームページを作成しただけでは、販路拡大や売上向上に直結するとは限らず、効果検証も難しいため、単独の施策としては目的に対する貢献度が限定的だと判断された可能性があります。
3. デジタル活用の水準が全体的に上がってきたため
かつては「ホームページを持つこと」自体が先進的な取り組みとされていましたが、現在ではほとんどの事業者が何らかのウェブサイトを持っているのが一般的です。
このような背景から、補助金の活用対象もより高度な取り組みへとシフトしていると考えられます。
4. 限られた予算を効果的に使うための見直し
補助金制度全体としても、予算には限りがあります。その中で、より多くの事業者に効果的に支援を行うためには、成果の見えやすい取り組みに重点を置く必要があります。
こうした理由から、ホームページ関連費だけに偏った利用を防ぎ、他の施策と組み合わせて事業の全体的な底上げを図る方針に転換されたと考えられます。
現在のルールと注意点
- ウェブサイト関連費は補助金交付申請額の1/4まで
- ウェブサイト関連費のみでの申請はできない
このような制限があるため、ホームページ制作に補助金を活用する際は、広報費、展示会出展費、業務改善費など他の項目と組み合わせた総合的な申請が求められます。
ホームページ制作は「目的」ではなく「手段」として
ホームページ制作に対する補助金活用が制限された背景には、制度の適正な運用や、補助金の本来の目的との整合性を重視する動きがあると考えられます。
より広い視点での販路開拓や業務効率化の施策の一環としてホームページを位置付けることが求められるでしょう。
補助金を活用したウェブ施策をお考えの方もいらっしゃると思いますが、ホームページ単体での申請はできません。事業全体にとって最適な補助金活用方法を検討しましょう。弊社でコンサルティングも可能です。