こんにちは。赤塚です。私は職業柄、デジタルマーケティングの勉強をし続けていなければなりません(しかしなかなか頭に入りません)。カタカナ語が多くて大変です。
様々な舶来のフレームワークやマーケティングの考え方があり、理路整然とした論理につい目を奪われてしまいがちですが、活用する際には、私たちは日本特有の「世間」に属して商売をさせていただいているという大前提を忘れてはいけないと思います。
最新の方法論を購入したはずなのに上手くいかない、じつは「故きを温ねて」の方が、今の時代には新鮮で有効なこともあります。

日本語の挨拶に「今後ともよろしくお願いします」と「先日は有難うございました」という言葉があり、常に使われている。しかしこの二つの挨拶は欧米には存在しないのである。欧米の個人はそれぞれ自分の時間を生きており、その時の相手と常に同じ時間の中で過ごしているとは思っていない。しかし、日本人は「世間」という共通の時間の中ですべての人が生きていると考えているから、このような挨拶が生まれるのである。

欧米人は自分勝手だと誤解してしまいそうですが、日本人が「世間」に属することで自己を確認しているのに対し、欧米人は「神」との対話の中で自己を確認しているそうです。海外で「あなたの宗教は何ですか」と聞かれたときに「無宗教です」と答えるのがNGなのはこういうことなのですね。

舶来の新しい考え方を学ぶことは大切ですが、まずは自国の文化を熟知していなければ使いこなせません。攻略する相手を知り、武器と使い方を考える、ですね。
その際に忘れてはならないのが自社の利益ではなく「三方よし」と思います(売り手よし、買い手よし、世間よし)。最近では「Win-Win」の方がよく使われていますが、「世間よし」まで意識できるのはやはり「三方よし」ですね!

日本の「世間」という共同体は、安易にネット、SNSにその代替を求めたりと、徐々に崩壊してきているのは間違いありません。年功序列はもはや時代遅れですし、現代には合わない慣習を排除、社会の進化であれば逆らうことはありませんが、「和をもって尊しとなす」など、美徳とされる日本人の考え方は受け継がれていくといいなあ、と思う今日この頃です。