代表コラム|ホームページ制作のエヌエー・システムズ

ホームページ制作は「速い・安い・旨い」でいいと思う

ホームページ制作は、極端に言えばパソコン一つあれば始められます。
初期費用がほとんどいらない。在庫を持つ必要もない。維持管理の仕事も含めれば、安定した収益に見えることもある。
だからこそ、挑戦する人が多いのも自然だと思います。

ただ、気軽に始めやすい仕事ほど、続けるのは案外むずかしいとも感じます。
始めることよりも、信頼を積み重ねながら続けていくことの方が、ずっと難しい。
私自身、そう自戒しながらこの仕事に向き合っています。

そもそも、ホームページには期待が先行しやすいところがあると思います。
その期待が大きくなるほど、作り手の都合で話を組み立ててしまう危うさも出てきます。
お客さまが求めているのは、制作者の理想ではなく、事業が前に進むための「役に立つ形」です。
だから私は、期待を煽るよりも、現実に効くものを丁寧に作ることを大切にしたいと思っています。

世の中には、生活や社会の土台を支える仕事がたくさんあります。
それらに比べると、ホームページ制作は「絶対に必要な仕事」と言い切れるものではないでしょう。

実際、ホームページがなくてもビジネスは回ります。
紹介や既存のお客さま、現場の評判、立地や人のつながり──そうした要素だけで成り立っている商売はたくさんあります。

むしろ、ホームページに頼りきったビジネスは危ういとも感じます。
ネットの世界は、見られなければ「存在しないのと同じ」です。
検索されない、表示されない、クリックされない——その瞬間、こちらからは何も起きません。

今は、少し知識があれば無料でもホームページを作れてしまう時代です。
それでも、あえて制作を任せていただけること自体が、本当にありがたいことだと思っています。

ホームページ制作は「世の中が強く求めている仕事」ではない。
それでもお客さまに選んでいただき、この仕事でお金をいただける。
だからこそ私は、感謝と謙虚さを忘れずに、できるだけお客さまの負担を小さくしたいと思っています。

もちろん、ホームページで成果が出ている会社もあります。
ただ一方で、「作りさえすれば集客の柱になる」といった期待が、少し先行しすぎてしまう場面もあるように感じます。
ホームページは大事な道具ですが、道具だけで全部が変わるわけではありません。
現実には、商品やサービス、現場の評判、日々の対応…そういう積み重ねの上に、ホームページが“効いてくる”ことが多いはずです。

私は、ホームページ制作を必要以上に大げさなものにしたくありません。
もちろん、ホームページの価値を大きく見せる売り方もあるでしょう。
弊社では、お客さまから求められない限り、付加価値を積み上げて価格を上げる必要はないと考えています。

私が大切にしたいのは、必要以上に飾り立てず、目的に対して必要なものを、必要なだけ出すことです。
背伸びをさせるより、無理なく前に進める形をきちんと作る。そういうホームページ制作をしたい。

そして、目指す姿はシンプルです。速い・安い・旨い。
速く作る。安くする。そして“旨い”――ちゃんと役に立つ。
大げさな言葉で飾るより、必要なものを、必要なだけ。
無理のない形で、きちんと前に進めるホームページを一緒につくっていきたいと思っています。


デザイナーとアーティストの違いについて

私の答えはとてもシンプルです。

デザイナーは「お客様の長所」を表現する人。
アーティストは「自分自身」を表現する人。

この考え方を出発点に、エヌエー・システムズのスタンスも含めて、少しお話してみたいと思います。

デザイナーは「主役を譲る」仕事

デザイナーの役割は、自分が主役になることではありません。主役はあくまで「お客様」と「お客様のお客様」です。

クライアントの強みは何か。
どんな価値を、誰に届けたいのか。
その魅力が、いちばん伝わる「見せ方」は何か。

デザイナーは、それらを整理し、形にしていきます。言い換えれば、クライアント自身も気づいていない「長所」を発掘し、光を当てる仕事です。

だから、デザインの現場では、
「自分はこういう表現が好きだ」よりも、
「このお客様の良さを一番引き出すには、どんな表現がいいだろう?」
という問いの方が、常に前に出てきます。

アーティストは「自分」を差し出す仕事

一方で、アーティストはまったく逆の方向を向いています。

アーティストが扱う主題は、基本的に「自分」です。自分の感性、自分の世界観、自分の美意識。それを作品というかたちで、徹底的に掘り下げ、突き詰めていきます。

ある意味で、アーティストはナルシストでないと務まらないのかもしれません。「自分の内側には、それだけ掘る価値のある何かがある」という強い前提がないと、毎日自分と向き合い続けることなんて、とてもじゃないけれどできません。

もちろん、ここで言う「ナルシスト」は悪い意味ではありません。自分の感性を信じ、自分の世界を信じ、それを世の中に提示していく。それくらいの自己肯定感と執着がないと、本物のアートにはなりにくいのだと思います。

エヌエー・システムズは「デザイナー」です

エヌエー・システムズは、完全に「デザイナー側」のスタンスです。

私たちが作るのは、エヌエー・システムズという会社の作品ではなく、お客様の事業を正しく・魅力的に伝えるための「器」です。

ですから、弊社のホームページも「自分たちをかっこよく見せる」ためのものではありません。必要最低限の情報を、必要な人に、ストレスなく届けられればそれでいいと考えています。

過度な装飾はしない。
自分たちの世界観を語りすぎない。
主役はあくまで「お客様」と「お客様の事例」。

その意味で、弊社サイトはある種「地味」に見えるかもしれません。でもそれは、自分たちを表現することを目的にしていないからです。

おまけ

「引退したら、今度はアーティストにチャレンジしてみようかしら。」

お客様の長所を引き出す仕事を何年も続けていると、今度は逆に、自分の内側にどんなものが溜まっているのか、試してみたくなる瞬間があります。

他者の長所を引き出し、社会とつなぐ「デザイナー」。
自分の内側を徹底的に掘り下げ、作品として提示する「アーティスト」。

役割が違うだけで、どちらも「表現のプロ」です。

エヌエー・システムズは、これからも「デザイナー」として、お客様の魅力を形にする仕事に集中していきます。

そして、いつの日か——。
代表デザイナーが静かに現場を離れ、どこかのアトリエで、ひとりの「アーティスト」として作品づくりに没頭しているかもしれません。

そのときは、「ああ、あのコラムで言っていた未来が来たんだな」と、どこかで思い出していただけたらうれしいです。

まあ、現状ではそんな穏やかな引退生活を迎えられるとはとても思えませんが 笑